ナンナ・ラガーマン
幼い頃から独自の世界を創造してきたインテリアデザイナーのナンナ・ラガーマン氏は、今日も子どもの頃と変わらず、想像力と細やかな映像的アプローチによってインテリアプロジェクトに取り組んでいます。こうしてラガーマン氏が生み出したインテリアは美しいだけでなく、クライアントにちょっとした夢を与える空間となっています。ラガーマン氏にとって、ハンス J. ウェグナーの家具デザインは完璧なスパイスのようです。適度な香りづけをしながらも、決して料理全体の風味を損なったり、乗っ取ったりするわけではありません。
「私が好きなのは、知的で、コントラストに満ちていて、意外性のあるインテリアです。」
「私はディテールを道具にしています。インテリアをどのように創り出すかは、ディテールによって決まります。また、それぞれのプロジェクトに個性をもたらすのもディテールです。」
感覚的に魅力のある空間をどのように創造していらっしゃるのですか?
インテリアデザインは、色、素材、照明、シルエット、コントラスト、スタイルをすべて混ぜ合わせて出来上がります。しかし、意味のあるインテリアデザインを生み出すことはスタイル以上のものです。それは体験であり、思考プロセスでもあります。私たちは五感を通して環境を感じ取っています。そこで私にとってインテリアデザインの創造とは、空間に健康と幸福につながる状態を作り出すことです。インテリアデザインの大きな目的は、人々に安全な空間と、ちょっとの間逃避できる環境を与えることだと、私は考えます。素晴らしい映画のように、我を忘れてしまうようなひとときをもたらすインテリアを創り出したいと思っています。
インテリアに関するご自分のスタイルをどう表現なさいますか?
スタイルとは自分らしさだと考えています。各人のスタイルは持って生まれたものであり、そこには自分の魂、関心、基準点が反映されます。私が手掛けるプロジェクトでは、流行に左右されず、なおかつ面白みのあるインテリアとなるよう心掛けています。私が好きなのは、知的で、コントラストに満ちていて、意外性のあるインテリアです。
誰かのために空間をデザインする際、デンマークデザインがもたらすものとは何でしょうか?
デンマークデザインには確たるものがあります。クラシックでタイムレスなアイテムは、他の家具やスタイルとの相性も抜群です。調和の中で自らの存在をごく自然に主張することで、常にインテリア全体のスタイルやムードを際立たせてくれます。私にとってデンマークデザインは、目を楽しませるだけでなく、実用的で長持ち、そしてタイムレスという面で、毎日の暮らしにも適っています。デンマークデザインの家具は、決して他の家具と競合せず、調和のある美しいインテリアを生み出します。私にとってウェグナーの家具は、いつでもインテリアプロジェクトに取り入れやすいものです。黒いダイニングチェアを探していた時は、表面の組み合わせがとても美しいウェグナーのCH23チェアに出会いました。光沢のある黒いオーク材と黒いペーパーコードの座面の組み合わせからは、シルエットはもちろんのこと、私が選んだ高光沢のダイニングテーブルと最高のコントラストが生まれました。
インテリアデザイナーとして、ディテールにこだわりをお持ちですね。「ちょっとした細やかさ」にどんな意味があるのでしょうか?
私はいつもじっくり見る主義で、ディテールには完全に没頭してしまうことがあります。私はディテールを道具にしています。インテリアをどのように創り出すかは、ディテールによって決まります。また、それぞれのプロジェクトに個性をもたらすのもディテールです。